2025年プロダクトロードマップ

2024年はCardanoにとって記念すべき年となりましたが、現在予定されている開発によって、2025年はさらにエキサイティングな年となるでしょう。

今やCardanoの将来を決めるのはADA保有者であり、コミュニティはすでに2025年の計画の形成に貢献しています。現在、マーケティング、および成長、研究、製品の促進など、多くの分野で議論が行われています。プロダクトロードマッププロセスを通じてコミュニティに提案されたプロジェクトの一部を紹介します。

メインネットのスケーリング

レイヤー1アーキテクチャーの改善、新しいコンセンサスメソッド、メインチェーンでのトランザクション処理の多量化、高速化で、Hydra、Midgard、Gummiworm、Leios、Perasなどのエレメントを進化させます。

ユーザビリティとユーティリティ

ステークプールオペレーターのための機能とインセンティブを充実させて、Cardanoの開発者エクスペリエンスを向上させます。

相互運用性と流入する流動性

他ブロックチェーンと相乗的開発を目指して協力し、ビットコインDeFi、パートナーチェーン、Minotaur、AVS層、サービス層、ハイブリッド分散型アプリケーション(DApp)でレイヤー2を成長させます。

メインネットのスケーリング

Cardanoが世界の金融インフラを提供するためには、現在の金融システムと同じ規模に拡大する必要があります。例えば、2022年の世界のクレジットカード取引の平均は、毎秒21,000を超えています。

Cardanoは、分散性、手頃な価格、セキュリティを維持しながら、参入障壁を取り除くことにより、2030年までに数十億人規模のユーザーをサポートすることを目指しています。これは、その道の最初の一歩です。

Cardanoのコードベースは常にレビューされており、このプロセスは今後も続きます。2025年に検討されている主な分野は、モジュール設計、パフォーマンスの最適化、形式手法と検証、基礎研究への継続的な投資です。

CardanoのOuroborosコンセンサスプロトコルでは、LeiosPerasの2つの新バージョンが計画されています。

  • PERAS

Peras(ペラス)はステークプールオペレーターの承認を使用してトランザクションのファイナリティを高速化し、トランザクションが確定した不可逆的なものと見なされるまでに必要な時間を短縮します。Perasはファイナリティの所要時間を12時間から2分に短縮し、決済と相互運用性の向上を実現します。

  • LEIOS

Leios(レイオス)は、並列生成によってブロック生成を加速し、Cardanoがセキュリティを損なうことなく同時により多くのトランザクションを処理できるようにすることでスケーラビリティをサポートします。

Mithrilの軽量な暗号プロトコルにより、ノードやライトクライアントはフルノードを実行せずにデータの検証や交換を素早く行うことができます。証明書は高速のノードブートストラップをサポートし、Hydraのようなレイヤー2ソリューションを補完し、分散型データサービスと将来のZK証明統合の基盤を築きます。

意見を表明するDRepに委任する

ユーザビリティとユーティリティ

Cardanoは、分散性を忠実に保ちながら、ブロックチェーンを日常的に使用しやすいものにしています。ID、プライバシー、コンプライアンスのネイティブサポートにより、信頼できるトランザクション、ガバナンス、透明性を確保し、コア原則を犠牲にすることなくユーザビリティの課題を解決します。

開発者エクスペリエンスとユーザー用機能の改良は、Cardanoの普及を促進するために不可欠です。 改良案には、多言語ライブラリー、プロシージャコールの改良、カスタムチェーンインデクサー、分散型API、ローカルノードのサポート、トレース統一規格が含まれます。

Cardanoのプログラム可能な資産の機能を拡張することで、分散型アプリケーション(DApp)の新たな可能性が開かれます。

こうした強化は、DAppの可能性を最大限に引き出すために不可欠です。単純な移転だけでなく、オンチェーンの資産機能を拡張し、複雑なプログラマブルロジックを可能にします。こうした進歩により、開発者は革新的なDAppを構築し、分散型IDのためのSBT(ソウルバウンドトークン:他のウォレットへトランザクションできないトークン)、または、カストディアン規制型ステーブルコインメカニズム、クリエイターをサポートするためのロイヤルティメカニズムなどのユースケースを探求できるようになります。

2025年Cardanoは、PragmaのAmaruプロジェクトのような、新しい独立したCardanoノードの実装開発を奨励します。

互換性を確保しながら多様性を促進するために、これら新しいノードはすべてCardanoの仕様に準拠している必要があります。Cardanoにおけるノードの適合性の確保は、厳密な形式仕様記述に大きく依拠しています。ノードの構築と設定のための具体的で実用的な指示とガイドラインによって、既存の規格との一貫性とその遵守が保証されます。この正確な仕様の組み合わせは、Cardanoネットワークの完全性と安定性を維持し、すべての参加ノードが合意されたルールとプロトコルに従って動作することを保証するために不可欠です。

開発者がフルノードを実行せずにブロックチェーンデータにアクセスし、トランザクションを送信できるようにします。Cardanoのアプローチは分散性を重視しており、SPO(ステークプールオペレーター)とデスクトップクライアントが分散型データプロバイダーとして機能できるような計画を立てることで、中央集権的なオペレーターへの依存を軽減します。

Cardanoのコアノードのアップグレード案には、高スループットを可能にし、スペースを節約し、新しいセキュリティ対策を実装するためのさまざまな対策が含まれています。こうした変更により、ノードの安定性が向上し、コストが削減され、スケーラビリティが向上します。

コミュニティは、SPOのために改良できるインセンティブを特定しました。ガバナンスアクションへの投票によって変更可能な新しいプロトコルパラメーターが導入される可能性があります。例えば、min-marginパラメーターでステークプールの最小マージンを設定したり、追加のパラメーターでステークの出資とそのメリットの関係を制御したりすることができます。

新しいローカルノードサービスは、 フルノードウォレットであるDaedalusに代わるものとして計画されており、技術的なオーバーヘッドを減らしてCardanoブロックチェーンへの直接かつトラストレスなアクセスを望むユーザーにフルノードエクスペリエンスを提供します。

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相互運用性と流入する流動性

他のエコシステムからの流動性を高めることは、Cardanoのユーザー基盤を拡大するために不可欠です。

ビットコインDeFi

CardanoはビットコインのスマートコントラクトおよびDeFi層となるポテンシャルがあり、両方のネットワークを統合して新しい機能と流動性を解放できます。ゼロ知識証明によって、Cardanoがビットコインの分散型DeFi層として機能することが可能になります。2025年の計画には、マージドマイニングの評価や、CardanoでビットコインユーザーがDeFiとインタラクションできるようにすることなどが含まれます。

Babelフィー

Babelフィーは、ユーザーがADA以外の通貨でトランザクション手数料を支払うことを可能にし、新たな流動性のチャンスをもたらします。

ADAを最初に保有していないユーザーは、複数のパーティから部分的なトランザクションを受け入れて組み合わせることができる分散型マーケットプレイスを介してレイヤー1で取引できるようになります。また、ADAの裁定取引を行うこともでき、取引所を通じて初期購入しなくても、トランザクション手数料をカバーし最小保有要件を満たすために必要なADAがユーザーに提供されます。

Minotaur

Minotaur(ミノタウロス)は、チェーンがリーダーシップスケジュールを生成するために複数のコンセンサスプロトコルを使用することを可能にします。パートナーチェーンはメインチェーンとは異なるプロトコルパラメーターを持つことができ、パートナーチェーンブリッジはパートナーチェーン間のシームレスな価値移転のための分散型オープンスタンダードを提供します。

カスタマイズ可能なパラメーターを持つ独立したチェーンは、Cardanoのセキュリティを活用しながら、より高い柔軟性を提供します。利点は、異なる真実の導き方(コンセンサスプロトコル)を持つ互換性のないチェーンが相互に情報を交換しながら共存することができること、そして、新しいチェーンを簡単かつ安全に立ち上げることができるようになることです。

  • サービス層

パートナーチェーンは、分散型サービス層を介したブロックチェーンネットワーク同士のインタラクションを可能にし、トークンブリッジを必要とせずにチェーン間のトランザクションを可能にします。これにより相互運用性が向上し、ネットワークが分散性を維持しながら他のネットワークにサービスを提供できるようになります。

  • パートナーチェーンのAVS層 ​​

AVS(アクティブ検証サービス)は、Cardanoエコシステム内のセキュリティ、スケーラビリティ、柔軟性を強化する新しいブロックチェーン技術です。これにより、カスタマイズ可能なパートナーチェーンを別個に実行しながら、Cardanoの安全なレイヤー1をトランザクション検証に使用できます。

つまり、開発者がCardanoの安全なOuroborosプルーフオブステークコンセンサスを活用しながら、新機能をテストし、プライベートチェーンを構築し、非常にスケーラブルなDAppを作成できるのです。トランザクションの実行と決済を分離することで、AVSはイノベーションの高速化、セキュリティの向上、シームレスな相互運用を可能にし、普及の拡大に合わせてCardanoの堅牢性をさらに高めます。

  • ハイブリッドDApp

ハイブリッドDAppを使うと、ユーザーは、ブリッジに開発者の関与を必要とせずに、複雑でトラストレスなマルチチェーントランザクションを作成できるようになります。これらのDAppはMinotaurと閾値シグネチャーを活用して、アトミックなクロスチェーントランザクションを保証し、ユーザーが複数のブロックチェーンとシームレスにやり取りできるようにします。

Hydraは並行処理を劇的に改善することで驚異的なトランザクション速度を達成しています。このことは、Input | Outputが最近、マルチプレイヤーのHydra DoomゲームをCardanoで大規模に実行することで実証されました。

ロードマップ案には、レイヤー1において大量の情報を管理するという課題に対処しつつ、分散型ガバナンスの議論と投票のためのプラットフォームとしてHydraの使用を検討することも含まれています。

Gummiworm(グミワーム)はSundaeLabsがHydraを使用して構築した無限にスケーラブルなレイヤー2ソリューションであり、トランザクション速度を向上させ、トランザクションコストを削減します。Hydrazoa(ハイドラゾア)はコアプロトコルを応用したもので、より軽量でスケーラブルなHydraヘッドを備えています。

こうしたプロジェクト案は、オンチェーントランザクションのセキュリティ保証と、中央集権的な取引所のスピードとコストの間のギャップを、Hydraがいかに埋めるかを示しています。

Anastasia LabsのMidgard(ミドガルド)は、Cardanoの堅牢なセキュリティと分散性を維持しながら、高スループット、低料金のトランザクションを実現します。オプティミスティックロールアップを使用し、チャレンジされない限りトランザクションが有効であると仮定することで、時間とリソースを節約します。

ロールアップによって、オフチェーントランザクションはオンチェーンのコンパクトな表現に集約されます。また効率化のために、Midgardはゼロ知識(ZK)証明を使用し、CardanoのEUTXOモデルを活用しています。

Midgard

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2025年はCardanoの歴史においてもっとも革命的な年になるでしょう。 ブロックチェーンの分散型管理における画期的な実験である、完全なコミュニティガバナンスの最初の年です。詳細は提案書を参照してください。